文献詳細
FOCUS
文献概要
はじめに
現在,国内の臨床検査室で実施している薬剤(抗菌薬)感受性検査は自動化が完全普及したことから,微量液体希釈法(broth microdilution method:BMD)を使用する施設が95%以上である.検査に使用する,多くのマイクロウェルが存在するマイクロプレートやマイクロカードは,それぞれのウェルに対して,容量が100μL以下レベルのミューラーヒントンブロスと検査対象とする抗菌薬が充塡されている.これに,被検菌液を接種し,米国臨床・検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute:CLSI)が規定した培養時間を経たのち,被検菌の増殖によるブロスの濁りを比濁法により測定して,MICを判定する方法が一般的である.しかしながら,抗菌薬適正使用(antimicrobial stewardship)の観点から,検査開始当日中に薬剤感受性検査結果が判明できるような手法の開発が,国内外で進んでいる.
本稿では,従来行われている一般的な検査法とは別のアプローチで開発されている迅速薬剤感受性検査法の新しい潮流について,今後の展望も含め解説する.
現在,国内の臨床検査室で実施している薬剤(抗菌薬)感受性検査は自動化が完全普及したことから,微量液体希釈法(broth microdilution method:BMD)を使用する施設が95%以上である.検査に使用する,多くのマイクロウェルが存在するマイクロプレートやマイクロカードは,それぞれのウェルに対して,容量が100μL以下レベルのミューラーヒントンブロスと検査対象とする抗菌薬が充塡されている.これに,被検菌液を接種し,米国臨床・検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute:CLSI)が規定した培養時間を経たのち,被検菌の増殖によるブロスの濁りを比濁法により測定して,MICを判定する方法が一般的である.しかしながら,抗菌薬適正使用(antimicrobial stewardship)の観点から,検査開始当日中に薬剤感受性検査結果が判明できるような手法の開発が,国内外で進んでいる.
本稿では,従来行われている一般的な検査法とは別のアプローチで開発されている迅速薬剤感受性検査法の新しい潮流について,今後の展望も含め解説する.
参考文献
1)株式会社フコク.製品情報.https://www.fukoku-rubber.co.jp/product/microtas.html(2024年2月8日アクセス)
2)Matsumoto Y, et al. A Microfluidic Channel Method for Rapid Drug-Susceptibility Testing of Pseudomonas aeruginosa. PLoS One 2016; 11: e0148797.
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4)大南祐介,他.ヘルスケア分野における卓上型走査電子顕微鏡の応用—生体組織/細菌検査における光の分解能を超えた微細構造解析.日立評論 2022;104:212-213.https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2020s/2022/02/pdf/02a04.pdf(2024年2月8日アクセス)
5)Hisada A, et al. Detection of antimicrobial impact on gram-negative bacterial cell envelope based on single-cell imaging by scanning electron microscopy. Sci Rep. 2023; 13: 11258.
6)Matsui A, et al. A Rapid ATP Bioluminescence-based Test for Detecting Levofloxacin Resistance Starting from Positive Blood Culture Bottles. Sci Rep. 2019; 9: 13565.
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