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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻7号

2024年07月発行

文献概要

Q&A 読者質問箱

血液検査における骨髄異形成症候群と巨赤芽球性貧血の鑑別のポイントを教えてください.

著者: 森文香1

所属機関: 1慶應義塾大学病院臨床検査科

ページ範囲:P.720 - P.722

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Q 血液検査における骨髄異形成症候群と巨赤芽球性貧血の鑑別のポイントを教えてください.

A 骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)は,造血幹細胞のクローン性異常による後天性造血障害です(筆者注:WHO分類第5版ではmyelody neoplasmsに名称変更されました)1).一方,巨赤芽球性貧血(megaloblastic anemia:MA)は,ビタミンB12あるいは葉酸の欠乏または利用障害によりDNA合成障害を発症する疾患です2,3).両疾患の病因は異なりますが,無効造血を伴い,大球性貧血を呈し,巨赤芽球および巨赤芽球様変化など類似した細胞形態所見が認められます.

 以下に,実症例を示します.

参考文献

1)Khoury JD, et al. The 5th edition of the World Health Organization Classification of Haematolymphoid Tumours: Myeloid and Histiocytic/Dendritic Neoplasms. Leukemia 2022; 36: 1703-1719.
2)日本検査血液学会(編).スタンダード検査血液学 第4版.医歯薬出版,2021.
3)樋口敬和.“大球性貧血=巨赤芽球性貧血”“血球減少+血球異形成=骨髄異形成症候群”とは限らない.内科 2021;128:452-454.
4)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業特発性造血障害に関する調査研究 三谷絹子(研究代表者).骨髄異形成症候群の形態学的異形成に基づく診断確度区分(第2版).2023年3月.
5)矢作かおり,松下弘道.Q.5.特集 検査データと血液像から疾患を推測する.Med Technol.2023;51:695-698.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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