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ページ範囲:P.730 - P.730
文献購入ページに移動 プロトロンビン時間(prothrombin time:PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)は,止血機能を評価する基本的な凝固スクリーニング検査である.PTは組織因子を介した外因系凝固活性化機序を反映し,FⅦ,FⅩ,FⅤ,FⅡ,フィブリノゲン(fibrinogen:FIB)の活性低下で延長する.一方,APTTは陰性荷電物質による内因系凝固活性化機序を反映し,FⅫ,FⅪ,FⅨ,FⅧ,FⅩ,FⅤ,FⅡ,FIBの活性低下で延長する.PTとAPTTの検査結果の組み合わせ(PT>APTT,PT≒APTT,PT<APTT)により,産生低下,消費亢進,インヒビター,血管外漏出,薬剤による影響〔ワルファリン,ヘパリン,DOAC(direct oral anticoagulant)〕など,多岐にわたる原因・病態をある程度推測することができる.
その中で,凝固因子の欠乏/インヒビターおよびLA(lupus anticoagulant)の存在が疑われた場合,クロスミキシング試験がその鑑別に有効である.被検血漿と正常血漿の混合比率は標準化されていないが,被検血漿の比率がLAでは低いポイント,因子欠乏/インヒビターでは高いポイントが有用であるため,即時反応では被検血漿が0,10,20,50,80,100%の6ポイント,遅延反応(37℃,2時間)では0,50,100%の3ポイントを推奨したい.
その中で,凝固因子の欠乏/インヒビターおよびLA(lupus anticoagulant)の存在が疑われた場合,クロスミキシング試験がその鑑別に有効である.被検血漿と正常血漿の混合比率は標準化されていないが,被検血漿の比率がLAでは低いポイント,因子欠乏/インヒビターでは高いポイントが有用であるため,即時反応では被検血漿が0,10,20,50,80,100%の6ポイント,遅延反応(37℃,2時間)では0,50,100%の3ポイントを推奨したい.
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