文献詳細
文献概要
病気のはなし
ギラン・バレー症候群
著者: 水地智基1 桑原聡1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学
ページ範囲:P.786 - P.791
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●ギラン・バレー症候群(GBS)は,先行感染後に急性発症する末梢神経障害により,四肢の筋力低下やしびれを呈する疾患である.症状は,通常2週間以内にピークを迎え,その後ゆっくりと自然軽快する単相性の経過をたどる.
●GBSは病理学的,電気生理学的に軸索型と脱髄型の2大病型に分類される.軸索型は症状がピークに達するまでの期間が短く,約1週間である.脱髄型は約2週間,場合によってはそれ以降も進行する可能性がある.
●GBSの標準治療は経静脈的免疫グロブリン療法と血漿浄化療法である.両者の治療効果は同等であるが,簡便性と利便性の観点から,わが国では経静脈的免疫グロブリン療法が頻用される.
●治療しても神経学的後遺症が残存してしまうことがあり,より効果の高い治療法の開発が望まれる.
●ギラン・バレー症候群(GBS)は,先行感染後に急性発症する末梢神経障害により,四肢の筋力低下やしびれを呈する疾患である.症状は,通常2週間以内にピークを迎え,その後ゆっくりと自然軽快する単相性の経過をたどる.
●GBSは病理学的,電気生理学的に軸索型と脱髄型の2大病型に分類される.軸索型は症状がピークに達するまでの期間が短く,約1週間である.脱髄型は約2週間,場合によってはそれ以降も進行する可能性がある.
●GBSの標準治療は経静脈的免疫グロブリン療法と血漿浄化療法である.両者の治療効果は同等であるが,簡便性と利便性の観点から,わが国では経静脈的免疫グロブリン療法が頻用される.
●治療しても神経学的後遺症が残存してしまうことがあり,より効果の高い治療法の開発が望まれる.
参考文献
1)日本神経学会(監).ギラン・バレー症候群,フィッシャー症候群診療ガイドライン2013.南江堂,2013.
2)Yuki N, Hartung HP. Guillain-Barré syndrome. N Engl J Med. 2012; 366: 2294-2304.
3)斎藤豊和,他.Guillain-Barré症候群の全国疫学調査第一次アンケート調査の結果報告.厚生省特定疾患 免疫性神経疾患調査研究分科会 平成10年研究報告書,1999:pp.59-60.
4)Ho TW, et al. Guillain-Barré syndrome in northern China. Relationship to Campylobacter jejuni infection and anti-glycolipid antibodies. Brain 1995; 118(Pt 3): 597-605.
5)Hadden RD, et al. Electrophysiological classification of Guillain-Barre syndrome: clinical associations and outcome. Plasma Exchange/Sandoglobulin Guillain-Barre Syndrome Trial Group. Ann Neurol. 1998; 44: 780-788.
6)Asbury AK, Cornblath DR. Assessment of current diagnostic criteria for Guillain-Barré syndrome. Ann Neurol. 1990; 27: S21-24.
7)Sejvar JJ, et al. Guillain-Barré syndrome and Fisher syndrome: case definitions and guidelines for collection, analysis, and presentation of immunization safety data. Vaccine 2011; 29: 599-612.
8)Rajabally YA, Uncini A. Outcome and its predictors in Guillain-Barre syndrome. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2012; 83: 711-718.
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