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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻9号

2024年09月発行

文献概要

増大号 臨床医に伝わりやすい 検査報告書とパニック値報告の心得 1章 総論

パニック値報告の現状と今後の課題

著者: 諏訪部章12

所属機関: 1新東京病院臨床検査部 2岩手医科大学

ページ範囲:P.822 - P.828

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Point

●パニック値は患者の生命予後を左右する重要な検査異常値であるが,その連絡遅延が患者治療の遅れにつながった事例が紹介され,パニック値報告が重要視されるようになった.

●パニック値の項目や閾値,報告体制や対応内容の確認などが統一されていない現状を受け,2021年に日本臨床検査医学会からパニック値運用に関する提言書が公表された.

●今後は提言書を参考に,パニック値の項目の選定・閾値の設定・迅速報告体制など,施設の事情に応じたパニック値報告体制の構築が望まれる.

参考文献

1)Lundberg GD. When to panic over abnormal values. Med Lab Obs. 1972; 4: 47-54.
2)Solberg HE. International Federation of Clinical Chemistry. Scientific committee, Clinical Section. Expert Panel on Theory of Reference Values and International Committee for Standardization in Haematology Standing Committee on Reference Values. Approved recommendation (1986) on the theory of reference values. Part 1. The concept of reference values. Clin Chim Acta. 1987; 165: 111-118.
3)NCCLS. How to define and determine reference intervals in the clinical laboratory; Approved Guideline. NCCLS Document, 1995: C28-P Vol.12.
4)諏訪部章.基準値,臨床判断値,極端値・パニック値.臨と研.2023;100:144-151.
5)日本医療機能評価機構.パニック値の緊急連絡の遅れ.医療事故情報収集等事業 医療安全情報,No.111,2016年2月. http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_111.pdf(2024年5月29日)
6)上道文昭,他.(6)全国パニック値アンケート2017.臨病理.2018;66:797-809.
7)日本臨床検査医学会チーム医療委員会.チーム医療における臨床検査異常データ・パニック値の検査室対応 全国パニック値アンケート2017.2017年11月19日. https://www.jslm.org/committees/team_med/panic_2017.pdf(2024年5月29日アクセス)
の例.2021年12月25日. https://www.jslm.org/committees/team_med/panic_2021.pdf(2024年5月29日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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