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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻9号

2024年09月発行

文献概要

増大号 臨床医に伝わりやすい 検査報告書とパニック値報告の心得 4章 臨床化学・免疫検査

Mタンパクの検査—免疫電気泳動法,免疫固定法

著者: 永井有理1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.942 - P.946

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Point

●MタンパクはB細胞・形質細胞の腫瘍性増殖を示唆する所見であり,Mタンパクの同定検査として,免疫電気泳動法と免疫固定法が代表的であるが,現在わが国では免疫固定法が行われることが多い.

●免疫電気泳動法は,弧状の沈降線により,それぞれのタンパクの質的・量的異常を検出することができる点で有用であるが,検査の実施とその判定には習熟を要する.

●免疫固定法は,特異抗血清を用いることによりMタンパクの同定と検出を,簡易で高感度に実施できるが,定量性を持たず,定性的な検査であることに注意が必要である.

参考文献

1)日本血液学会(編).造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版補訂版.金原出版,2020.
●日本臨床衛生検査技師会(監).JAMT技術教本シリーズ 臨床免疫検査技術教本.丸善出版,2017.
●藤田清貴.臨床検査で遭遇する異常蛋白質—基礎から発見・解析法まで.医歯薬出版,2010.
●日本骨髄腫学会(編).多発性骨髄腫の診療指針 第5版.文光堂,2020.
●東田修二.免疫電気泳動と免疫固定法の解釈のしかた.臨病理.2019;67:609-613.
●山田俊幸.M蛋白:免疫固定法,キャピラリー電気泳動法の導入.臨病理.2020;68:346-350.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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