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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻1号

1978年01月発行

病気のはなし

DIC

著者: 松田保1

所属機関: 1東京都老人総合研究所臨床第2生理

ページ範囲:P.6 - P.11

文献概要

 DICの概念
 DIC(血管内凝固症候群)は,全身の血管内(Intravascular)に,汎発性(Diffuse)に,血栓(血液凝固;Coagulation)を生ずる病的状態であり,Disseminated(またはdiffuse)intravascular coagulationのそれぞれの頭文字をとってDICと略称される.
 血液には,血管が破れて出血した場合,血管外では比較的速やかに凝固して,出血を最少限に止めるという性質がある反面,正常血管内では凝固せず,このため血液の循環が正常に保たれているという,矛盾した二つの性質がある.いずれの性質が障害されても,生命に危険を及ぼす重大な障害を生ずることは明らかであるが,これまでは血管が破綻した場合の血液の凝固に障害があり,出血がいつまでも続く,いわゆる出血性素因が広く注目を集めてきた.このことは,これまでの血液凝固検査のほとんどが,血液の凝固性の低下の有無をチェックする性質のものであること,また,血液の凝固に関連する薬剤としては,血栓の予防の目的で,血液の凝固性や血小板の機能を抑える,いわゆる抗凝血薬や抗血栓剤よりも,止血剤のほうがむしろ重視されてきたことからも明らかであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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