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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻12号

1978年12月発行

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

血小板凝集

著者: 本宮武司1 山崎博男1

所属機関: 1東京都臨床医学総合研究所循環器部

ページ範囲:P.955 - P.960

文献概要

 血小板が異物表面に接触すると直ちに血小板同士が付着する現象は,1885年EberthとSimmel-bushによりviscous metamorphosisとして記載された.この血小板が生体内で何らかの機能を果たしているとの認識以来,血小板の凝集現象(Plateletaggregation)は出血時防衛細胞として働く血小板の特性をよく表現するものとして,多くの検討がなされてきた.血小板は血管内腔面の変化に対して短時間内に反応することから,広く生体の血管壁変化,血管壁と血液の相互作用が血小板機能に反映されると考えられる.
 血小板の働きには止血栓の形成,異物食作用,ウイルス,細菌,免疫複合体に対する干渉作用のように生体に有利に働く場合と,病的血栓形成のように不利に働く場合がある.臨床上用いられる血小板凝集能検査の意義は,これら両面での血小板の働きを明らかにしようとするものである.凝集能の低下は既に種々の血小板異常症など出血性疾患で明らかにされているが,今後は血栓性疾患など,より多くの疾患で定量的に血小板機能を把握し,その予防と治療に役立つ方法を開発しなければならない.このような背景の下に,最近急速に進歩を逐げた血小板を取り巻く生理,薬理の知見を踏まえて血小板凝集の基礎的意義を考えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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