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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻2号

1978年02月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

血液型の型物質

著者: 支倉逸人1

所属機関: 1埼玉医科大学法医学

ページ範囲:P.109 - P.113

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 血液型物質とは
 Rh,MNなどの一般の血液型抗原は赤血球の表面だけに存在するものであるが,ABO式及びルイス式の血液型抗原だけは,ヒトのすべての体液,組織に存在する.特に唾液,精液,羊水などには非常に高濃度の血液型物質が水溶性血液型物質の形で分泌されている.
 ABO式血液型物質はブタやウシなどの胃粘膜などにも多量に存在し,これを精製した水溶性血液型物質(Soluble specific blood group substance)が製品化されている.これは何に使われるかというと,一時期,O型保存血に加えて血漿中の抗A,抗B抗体を中和して,何型の人にでもかまわず輸血することが行われた.特に朝鮮戦争時代に米軍が中和したO型保存血を万能供血者(Universal donor)として用いたというが,副作用のため今では使われない.一方,この型物質を供血者に筋肉注射して,A型の人の抗B,B型の人の抗Aの抗体価を高くしてから採血し,血液型判定用血清を製造することは,現在でもアメリカなどで行われていると言う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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