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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻2号

1978年02月発行

文献概要

技術講座 一般

尿中ベンスジョーンズタンパクの同定

著者: 河野均也1

所属機関: 1日本大学臨床病理

ページ範囲:P.148 - P.152

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 ベンスジョーンズタンパク(Bence Jones Protein,以下BJP)は56℃の加温により白濁沈殿し,100℃の加熱で白濁が消失する特異な二相性の熱凝固性を示すタンパクとして,既に1845年に記録されているものである.BJPは頭初は前記のような特異な熱凝固性を示すタンパクと定義され,多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症(Waldenström)など,免疫グロブリン産生系細胞の腫瘍性増殖を示す病態にかなり特異的に出現する異常タンパクであると考えられてきた.ところが,尿を100倍以上に濃縮すると正常人の尿中にも同様の熱凝固性を示すタンパクが微量ながら出現することが明らかにされたことから,現在ではBJPであると同定するためには,図1に示したような種々な検査手技を用いて出現した異常タンパクが単一クローン性の遊離鎖(monoclonal freelight chain)であることを確かめなければならないとされている.このようにして検出・同定されるBJPは多発性骨髄腫など免疫グロブリン産生系細胞の腫瘍性増殖を示す病態の60%以上に検出されるとされているほか,アミロイドーシス症例の尿中にも微量ながら高率に証明されることが知られており,これらの病態の補助診断法としてのBJP検出・同定の意義は大きい.
 ここではBJPの同定について’その手順に従って簡単に解説してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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