icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻3号

1978年03月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

血液凝固検査の終末点

著者: 福武勝博1 加藤正俊1

所属機関: 1東京医科大学臨床病理

ページ範囲:P.199 - P.204

文献購入ページに移動
 出血性素因,血栓症及びDICなどの病態生理は血液凝固・線溶機序の解明に伴いしだいに明らかにされてきた.それに従って凝固・線溶の検査が重要視されるようになり,今日ではどこの検査室でも項目数は別として諸種の凝血検査が導入され,年々検査件数も増加傾向をたどっている.従来の凝血検査は主として試験管内で連続的な酵素反応の過程を経て得られる結果を凝固開始よりフィブリンの析出するまでの時間として測定することが基本となっており,一見単純にみられるフィブリン糸の析出が反応の終末点となっている.また線溶の検査ではフィブリンあるいは凝固させたユーグロブリン分画が被検体に含まれるプラスミンによって溶解する状態を観察し,フィブリンの溶解による透明化を終末点としている.しかし最近のタンパク質の分離精製技術の進歩に伴い免疫学的な方法や分光学的な測定法などが導入されるに至り,従来のフィブリン塊の変化による終末点から異なった終末点の取り方へと変わりつつある.本稿ではⅧ因子,線溶の検査を除いて,一般的な血液凝固検査の終末点について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら