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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻4号

1978年04月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

臨床化学分析における界面活性剤の利用

著者: 桑克彦1

所属機関: 1虎の門病院臨床化学

ページ範囲:P.279 - P.287

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 臨床化学分析における界面活性剤の利用は,主に自動分析用の大部分の試薬に認められる.特にオートアナライザーのフロー系を良好に保つために用いられているものをはじめ,ディスクリート型のものにも添加されている.また界面活性剤を適確に利用し,吸収スペクトルを変化させたり,呈色感度を上げたりなど反応の組み立てに重要な役割を演じているものもある.そこで臨床化学分析に利用されているこれら界面活性剤についてその作用を考えてみよう.
 界面活性剤1,2)(surface active agent or surfactant)は構造的に一定の大きさの親水基と疎水基(親油基),あるいは極性基と無極性基と言われる性質の異なるものが適当にバランスして界面活性剤の分子を構成している両溶媒性物質の一つで,このためにいわゆる界面活性を示し吸着,配向,ミセル形成などの基礎的性質に基づいて,湿潤,起泡,分散,可溶化,洗浄,潤滑などの効果を発揮する.図1に界面活性剤分子の模型図を示した.また表1に親水基と疎水基の例を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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