icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻4号

1978年04月発行

文献概要

技術講座 血液

プロトロンビン時間とトロンボテスト

著者: 田原口経貞1

所属機関: 1徳島大学中央臨床検査部

ページ範囲:P.292 - P.298

文献購入ページに移動
 プロトロンビン時間
 1935年Quickによって発表されたプロトロンビン時間(以下PT)の測定は,部分トロンボプラスチン時間とともに出血性素因検査のスクリーニングテストとして欠くことのできない重要な検査である.その意義は,外因性(組織性)・凝血機序に関与する因子活性の消長を全体的に測定することにある.すなわち,PTの延長はプロトロンビン(第II因子)の減少以外に第V,第VII,第X因子,フィブリノゲンなどの減少などの際にみられ,ほかにヘパリン様物質(抗トロンビン)の存在するときにも延長する.これらの因子は先天性では通常単独で減少するが,後天性の場合は二つまたはそれ以上の因子が同時に減少することが多い.
 本測定法としては一般にQuick一段法が用いられ,その延長が認められる際は更に二段測定法が行われる.これらが凝固活性を測定するのに対し,近年凝固タンパクとしての定量を行う方法として免疫学的測定法が行われており,免疫拡散法,あるいは免疫電気泳動法(Laurell法)が用いられ凝固活性の食い違いにより発見された凝固タンパク異常などが報告されるようになった.ここでは我々が日常行っているプロトロンビン時間用手法を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら