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技術講座 血液
プロトロンビン時間とトロンボテスト
著者: 田原口経貞1
所属機関: 1徳島大学中央臨床検査部
ページ範囲:P.292 - P.298
文献購入ページに移動1935年Quickによって発表されたプロトロンビン時間(以下PT)の測定は,部分トロンボプラスチン時間とともに出血性素因検査のスクリーニングテストとして欠くことのできない重要な検査である.その意義は,外因性(組織性)・凝血機序に関与する因子活性の消長を全体的に測定することにある.すなわち,PTの延長はプロトロンビン(第II因子)の減少以外に第V,第VII,第X因子,フィブリノゲンなどの減少などの際にみられ,ほかにヘパリン様物質(抗トロンビン)の存在するときにも延長する.これらの因子は先天性では通常単独で減少するが,後天性の場合は二つまたはそれ以上の因子が同時に減少することが多い.
本測定法としては一般にQuick一段法が用いられ,その延長が認められる際は更に二段測定法が行われる.これらが凝固活性を測定するのに対し,近年凝固タンパクとしての定量を行う方法として免疫学的測定法が行われており,免疫拡散法,あるいは免疫電気泳動法(Laurell法)が用いられ凝固活性の食い違いにより発見された凝固タンパク異常などが報告されるようになった.ここでは我々が日常行っているプロトロンビン時間用手法を中心に述べる.
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