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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻5号

1978年05月発行

文献概要

技術講座 血液

ペルオキシダーゼ染色

著者: 渡邊博文1 田原口経貞1

所属機関: 1徳島大学中央臨床検査部

ページ範囲:P.367 - P.371

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 ペルオキシダーゼ(PO)は過酸化水素または有機性過酸化物による種々の有機物の酸化を触媒する酵素1)(2AH+H2O2→(PO)2A+2H2O,AH=基質,A=酸化物)であり,植物組織中には広く分布しているが,動物では牛乳(ラクトペルオキシダーゼ),白血球(ベルドペルオキシダーゼ)などや,酵母菌(チトクロムCペルオキシダーゼ)中にも多少存在している.白血球中のPOは顆粒球系細胞の顆粒中にのみ存在することから,骨髄系細胞とリンパ球系細胞との判別に有用であることが以前より知られている.このPOの証明には反応過程で生じた酸化物(A)が発色物質となるような基質を選択すればよく,従来血液学ではベンチジン及びその誘導体が広く用いられていた.しかしこれらの試薬が発癌性を有することから,1972年以降,製造,販売が禁止となり,手持ちのベンチジンについても厳しい規制を受け,しだいに実施不可能な状態になりつつある.そこでこれらの試薬を使用しない代替の方法,いわば無公害検査法開発の一環として,いくつかの方法が報告されている.その一部は既に小松らが本誌(vol.6 no.4)に解説しているので,本稿ではそれ以外の方法に焦点を当て,筆者の追試した経験を混じえながら記述を進めたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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