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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻5号

1978年05月発行

技術講座 血清

ABO式血液型—オモテとウラの不一致

著者: 大久保康人1

所属機関: 1大阪府赤十字血液センター

ページ範囲:P.373 - P.377

文献概要

 ABO式血液型は1900年Landsteinerによって発見され,現在では輸血に重要な血液型であることはだれでもよく知っていることである.しかしいまだに血液型の検査を安易に考えて,簡単なテストで決めて交差試験も簡便法で行い輸血しているところのあることは大変危険なことである.輸血では正確な血液型―現在はABO式血液型とRh0(D)の判定だけであるが―を判定し,血清中の不規則抗体スクリーニングを行い,そのうえ交差試験を実施して輸血することが常識となってきている.その第一段階であるABO式血液型がオモテ試験と呼ばれる血球抗原の検査と,ウラ試験と呼ばれている血清中の抗A抗Bの有無を調べる両者を実施して決定することが大変重要である(表1).
 オモテ試験は国家検定を受けた血液型判定用抗A抗B血清を用いて行うが,一定の力価を持っているので取り扱いに注意すれば血球抗原の反応の強弱は比較的分かりやすい.ただしよほど注意深く観察しないと凝集を見落とすことがある.このことについては後で触れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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