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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻7号

1978年07月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

尿円柱の意義づけ

著者: 田村忠雄1

所属機関: 1京都大学第3内科

ページ範囲:P.539 - P.543

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 腎疾患の四つの主要症候である,浮腫,高血圧,血尿,タンパク尿などを主訴として診察を求める患者に対して,それらの症状が果たして腎疾患に由来するかどうかの最も確かな証明はまず患者の尿を調べることである.タンパク尿や血尿などの尿の異常が発見された場合,腎疾患としてよいか,尿路疾患としてよいかの判定は,その後の治療と予後に重大な影響を持つものであるから,病理学者が組織診断を下すように,臨床家は,自らの手で,患者に関する臨床的知識のすべてを尿の沈渣に集中しなければならない.そのようなとき,尿の沈渣にある円柱を証明したとするならば,それは明らかに腎臓由来であることを示すものであり,腎疾患の診断に確証を与えることになる.更に円柱の性状を詳しく顕微鏡的に分析することによって,我々は腎臓の傷害部位やその拡がり,病気の活動性や予後までも知ることができるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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