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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻8号

1978年08月発行

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

モリブデン酸及びタングステン酸を利用する呈色反応とその応用

著者: 坂岸良克1

所属機関: 1埼玉医科大学生化学

ページ範囲:P.609 - P.614

文献概要

 臨床化学分析には実に多くの呈色反応が利用されている.例えば,トリグリセライド,血糖(グリコースオキシダーゼ・カタラーゼ法)及びコレステロール(コレステロールオキシダーゼ・カタラーゼ法)の定量にはしばしばHantzsch反応が利用されているし,乳酸脱水素酵素(Cabaud-Wröblewski法),イソクエン酸脱水素酵素,トランスアミナーゼなどの活性の測定には2,4-ジニトロフェニルヒドラジン法が取り入れられている.Lieberman-Burchard反応やKiliani反応などもつい先ごろまで血清総コレステロール定量法の主流を占めていた.これらの反応はいずれもその機構が明らかにされており,ほかの反応についてもかなり詳しく調べられている.
 ところが,モリブデン酸あるいはタングステン酸を利用する呈色反応は日常かなり親しい反応であるにもかかわらず,その機構はほとんど検討されていない.著者は主として無機リン酸の定量法に関係してきたことから,無機リン酸のほかに,尿酸,タンパク質,血糖などにおける呈色反応機構に興味を持ち,検討を続けてきた.ここでは筆者の考え方も交えて,これらの呈色反応についての知見を記してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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