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文献詳細

雑誌文献

検査と技術6巻9号

1978年09月発行

文献概要

技術講座 血液

異常血色素のスクリーニング

著者: 山本きよみ1 宮地隆興2

所属機関: 1山口大学病院 輸血部 2山口大学検査部

ページ範囲:P.725 - P.729

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 異常血色素が新しい血液疾患として確立されたのは,鎌状赤血球性貧血の原因をPauling1)やIngram2)らにより解明されたことにある.すなわち鎌状赤血球性貧血患者の溶血液を電気泳動して正常者の泳動縞と比較してみると,全く泳動度の異なる縞が観察され,その差異はヘモグロビン(Hb)分子のタンパク部分のグロビンを構成しているアミノ酸1個が正常者のそれと異なって配列されているためであることが明らかにされた.したがって異常血色素はHb分子のグロビンの異常であると定義される.
 正常人のHb分子構造は,ヘム部分とタンパク部分の(グロビン)から構成され,グロビンはアミノ酸のペプチド結合による4種類の鎖の組み合わせで形成される.グロビンの鎖はα鎖と非α鎖に大別され,非α鎖にはβ鎖,δ鎖とγ鎖があり,α鎖と非α鎖の組み合わせ方によりHbの大部分を占めるHbA(α2β2)と微量成分のHbA2(α2δ2)とHbF(α2γ2)の3種がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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