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技術講座 生化学
アルブミンとA/G比の定量法
著者: 浅井孝道1
所属機関: 1虎の門病院臨床化学検査部
ページ範囲:P.815 - P.820
文献購入ページに移動 血清アルブミンは健常者で約4±1g/dlの濃度であり,血清総蛋白の約60%を占めている.残りの40%はグロブリンである.分子量は約66,000,グロブリンの約1/3である.等電点は4.7であり,pH 7.4の血清中では陰性に荷電している.ヒトのアルブミンはほとんどが肝臓で合成され,血液と体液中に存在しているが,その生理的役割は種種の金属や脂肪酸あるいは薬剤,老廃物などの代謝産物と結合しその運搬をつかさどっている.また血液膠質浸透圧を保持し循環血漿量を維持している.
血清アルブミン値は,全身状態を大まかに把握できるという特徴がある.すなわち,臨床的には激しい脱水状態以外には極端な高値となることはないので,ネフローゼ症候群,重症の肝障害あるいは栄養不良,手術後などの低アルブミン血症や先天的無アルブミン血症が問題となる.またアルブミン値のみならず,アルブミン値とグロブリン値の比をとることによりA/G比という簡単な尺度を用いて,アルブミンの血清中での大まかな分布状態を拡大して表すことができる.アルブミン,A/G比ともに最近は自動分析機の発達に伴い,マススクリーニング検査の一つとして必要不可欠の検査項目となっている.
血清アルブミン値は,全身状態を大まかに把握できるという特徴がある.すなわち,臨床的には激しい脱水状態以外には極端な高値となることはないので,ネフローゼ症候群,重症の肝障害あるいは栄養不良,手術後などの低アルブミン血症や先天的無アルブミン血症が問題となる.またアルブミン値のみならず,アルブミン値とグロブリン値の比をとることによりA/G比という簡単な尺度を用いて,アルブミンの血清中での大まかな分布状態を拡大して表すことができる.アルブミン,A/G比ともに最近は自動分析機の発達に伴い,マススクリーニング検査の一つとして必要不可欠の検査項目となっている.
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