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マスターしよう基本操作
血球浮遊液の作り方—緒方法を例として
著者: 鈴田達男1 岩倉伸子2
所属機関: 1東京医科大学血清学 2東京医科大学病院中検
ページ範囲:P.915 - P.922
文献購入ページに移動そこで今回は,日常よく使用されている緒方法の感作血球浮遊液の作り方についてごく基本的な操作を解説するとともに,その濃度を一定にするために,我々の検査室で行っている工夫を中心にして説明したい.緒方法で血球の濃度がなぜそのようにやかましく規定されなければならないかというと,周知のとおり緒方法では,2単位の補体希釈液を毎回作製することになっているが,この価が完全溶血を指標とする場合には,かなり変動する.感作血球と補体の問題だからその都度合っていればよさそうに思えるが,そうはいかない.すなわち,薄い血球を使ったときには,それを溶血させるに必要な補体量は少なくて足り,逆に濃い血球を使ったときは補体を余計必要とする.したがって血球濃度が異なると1単位の尺度そのものが毎回狂うことになるので,精度管理が著しく困難になるのは当然と言えよう.
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