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文献詳細

雑誌文献

検査と技術7巻12号

1979年12月発行

技術講座 細菌

血液の培養検査

著者: 内田博1

所属機関: 1慶応義塾大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.978 - P.983

文献概要

 菌血症・敗血症の原因菌の推移をみると,抗生剤のなかった1940年ごろまでは肺炎球菌,溶血レンサ球菌,緑色レンサ球菌などのグラム陽性球菌が主なる原因菌で,Finlandら(1970)の1941年までの成績でも104例中グラム陰性杆菌は1例のみであった.抗生剤登場後の1960〜1967年間のCrowley(1970)の成績では,248株中144株がグラム陽性球菌であったが,グラム陰性杆菌も98株検出されていて,Dupontら(1969)も指摘しているように,この時期からグラム陰性杆菌の時代が始まっている.慶大病院での血中分離菌種の動向をみても,1960〜1964年にはレンサ球菌26%,ブドウ球菌27%,グラム陰性杆菌35%の検出率であったが,1965〜1969年ではレンサ球菌19%,ブドウ球菌17%,グラム陰性杆菌33%となり,グラム陽性球菌の減少傾向がみえ,また混合感染例が増加し始めている.
 1972年以来グラム陰性杆菌は増加傾向に入り,1974年以降はグラム陰性杆菌敗血症例のみでも各年ほぼ50例を数え,グラム陰性杆菌の混合感染例を加えると更にこれを上回る例数となっている.このほか嫌気性グラム陰性杆菌例,真菌,混合感染例の増加傾向もみられている(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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