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文献詳細

雑誌文献

検査と技術7巻12号

1979年12月発行

文献概要

技術講座 一般

有機水銀農薬の測定法

著者: 滝澤行雄1

所属機関: 1秋田大学公衆衛生学

ページ範囲:P.984 - P.990

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 我が国で有機水銀農薬が,イネのイモチ病などに対して散布殺菌剤として大量に用いられたのは昭和30年代のことである.この散布剤の主体は酢酸フェニル水銀であって,全体の80〜85%(水銀当量)を占め,そのほかは乳化剤,粉剤,水和剤としてイネ以外にも果樹,タバコ,野菜などに広く使用された.
 これらの有機水銀農薬は,水中で解離してアルキルあるいはアリール水銀イオンとなり,菌のアミノ基,カルボキシル基,SH基などと結合してその生理機能を失わせる.その毒性は,生体内の蛋白質に水銀が特異的に結合するもので,水銀系農薬はすべて"毒物及び劇物取締法"の毒物に指定され,厳重な取り扱い指導がなされてきた.しかし,米の中に残留する水銀の慢性毒性が問題となって,他の薬剤で置き換えられ,今日では種子消毒用の有機水銀剤も昭和49年度から非水銀系に置き換えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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