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最近発見された細菌"Legiionella pneumophila"について
著者: 小栗豊子1
所属機関: 1順大中検
ページ範囲:P.1002 - P.1002
文献購入ページに移動L. pneumophilaはグラム陰性杆菌.芽胞,鞭毛,莢膜を欠き,抗酸性はない.通常の培地,培養方法では検出できないと言われている,培養には,Mueller Hinton寒天培地を基礎培地とし,これに粉末ヘモグロビンを加え滅菌後Isovitale X,または無菌L-cystein塩酸塩水溶液を加えたものや,F-G寒天培地(Mueller Hinton寒天培地を基礎培地としている)を用い,炭酸ガス培養(ローソク法でもよい)を行い,35℃で培養する.通常の好気培養では発育しないと言われている.集落の発現はかなり遅く,48時間後に塗抹部分に発育が認められ,72時間では微小な孤立集落が確認できるが,0.5〜1mmの集落形成させるためには4〜5日の培養が必要とされている.F-G寒天培地上では4日後に濃厚に発育した部分に褐色色素が産生される.このように発育が遅く,適当な選択培地は現在のところ完成していないので,材料から人工培地への培養は,かなり難しいものと思われる.
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