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文献詳細

雑誌文献

検査と技術7巻12号

1979年12月発行

文献概要

トピックス

最近発見された細菌"Legiionella pneumophila"について

著者: 小栗豊子1

所属機関: 1順大中検

ページ範囲:P.1002 - P.1002

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 Legionella pneumophila(レジョネラニューモフィラ)はLegionnaires disease(在郷軍人病)の病原体であり,新型肺炎の原因菌として最近発見された細菌である.在郷軍人病とは1976年7月,米国在郷軍人会が,フィラデルフィアで開かれ,この会合に出席した人々の中に多くの発症者がみられたことから,このような病名が付けられた.病原体の発見はCDC(Center for DiseaseControl)の人々により,感染モルモットの臓器から病原体分離が行われ,凍結保存された患者血清の抗体価測定の結果,明らかにされた.
 L. pneumophilaはグラム陰性杆菌.芽胞,鞭毛,莢膜を欠き,抗酸性はない.通常の培地,培養方法では検出できないと言われている,培養には,Mueller Hinton寒天培地を基礎培地とし,これに粉末ヘモグロビンを加え滅菌後Isovitale X,または無菌L-cystein塩酸塩水溶液を加えたものや,F-G寒天培地(Mueller Hinton寒天培地を基礎培地としている)を用い,炭酸ガス培養(ローソク法でもよい)を行い,35℃で培養する.通常の好気培養では発育しないと言われている.集落の発現はかなり遅く,48時間後に塗抹部分に発育が認められ,72時間では微小な孤立集落が確認できるが,0.5〜1mmの集落形成させるためには4〜5日の培養が必要とされている.F-G寒天培地上では4日後に濃厚に発育した部分に褐色色素が産生される.このように発育が遅く,適当な選択培地は現在のところ完成していないので,材料から人工培地への培養は,かなり難しいものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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