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文献詳細

雑誌文献

検査と技術7巻2号

1979年02月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

抗凝固剤の種類と作用

著者: 中川雅夫1

所属機関: 1京都府立医科大学第2内科

ページ範囲:P.115 - P.120

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 血液の凝固を防止する目的には種々の抗凝固剤が使用されるが,使用目的に応じて異なった抗凝固剤が選ばれる.採取された血液は放置すれば自然に凝固するが,これは生体の一種の防御機構によって存在すると考えられる血液凝固機転が異物表面との接触活性化により,主として内因系の凝固系が発動することによると説明される.抗凝固剤は主として血液検体中成分などの検索に際して使用されるが,血液の輸注,保存,あるいは抗凝固剤の生体内投与により血栓予防などの目的にも使用される.すなわち使用目的によって使用法,投与方法も異なってくる.in vitroにおいては抗凝固剤は血液検体成分の検査が主であるが,検体成分に影響を及ぼす抗凝固剤は検査の日的上不適当であり,ここに使用する抗凝固剤の選択が行われることになる.血液成分のうち血球成分の検索には赤血球,白血球,血小板といった流血中の成分ができうる限り生理的条件下で観察されることが好ましく,これら血球の形態と機能に変化を及ぼさず,また遊離された状態で試験管に移されることが望まれる.他方,血液中の凝固線溶系の因子の検索にもやはり凝固線溶系の各因子に変化を及ぼすことなく検体が採取されることが必要であるが,血液学的検索のみならず生化学的検査の分野においても抗凝固剤が応用され,血糖測定のためのNaFのごとく凝固を防止するのみならず,混在する血球の解糖作用を阻止することによって検体保存による血糖値の低下を防止するような抗凝固剤も存在する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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