文献詳細
技術講座 生化学
文献概要
アミノ酸のアミノ基とα-ケト酸のα-ケト基とが交換される,脱アミノ化もしくはアミノ化の結合様式をtransaminationと言うが,この反応を触媒する酵素をトランスアミナーゼと言う(図1).本酵素は1937年にA. Braunsteinらによってハト心筋中から見いだされた.また臨床的に注目されだしたのは,それから20年ほど経てからである.すなわち1954〜1955年にかけて,Ladue,Wroblewski,Karmenらが,急性心筋梗塞症及び肝細胞障害時に著増し,その後急速に消失することをレポートして以来,突如として重要視されてきた.この出来事が,現在の臨床酵素化学の隆盛の発端となったことは周知のとおりである.
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