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文献詳細

雑誌文献

検査と技術7巻3号

1979年03月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

病理検査材料の整理と保管

著者: 三友善夫1 高柳保1 田村蓉子1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター病理部

ページ範囲:P.247 - P.254

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 病理検査材料の保管整理は次の3つの目的のためになされる.①診療—病理組織診断後に更に精細に病変を検索する場合,follow up途上で前後の検査結果の対比,患者の診療経過中に他病院からの問い合わせに応じる.②研究,教育—研究目的のための疾患材料の蒐集,教科書的な代表疾患の典型例の選択.③疾患史上に価値ある疾患材料の蒐集保存.対象となる病理検査材料の分別は検査種別に従って,①細胞診材料,②生検材料,③手術材料,④剖検材料,に分けられる.また材料の種類によって,①肉眼材料(生鮮,固定,凍結材料),②顕微鏡材料(光顕的プレパラート,パラフィンブロック,セロイジンブロック,電顕ブロックなど),③写真材料(ネガフィルム,スライド,X線フィルム,写真焼付印画紙),④報告書類,台帳,剖検記録,整理カード,などに分別される.
 また検査材料は時間的に"永久的に保存"する必要のあるものと"一時的に短時日に保存"されるものがあり,その方法はそれぞれ異なる.いずれの材料も受付番号,年月日,氏名,性,年齢,臓器組織の種類,主な臨床経過と検査成績,写真撮影,X線フィルム番号などを記録しておく.特に保存材料のラベルの貼付とその剝離紛失に注意する,また同一患者の材料は患者番号で統一しておくとよい.病理検査標本と資料は単なる検査材料でなく,研究,教育の面でも医学上重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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