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文献詳細

雑誌文献

検査と技術7巻5号

1979年05月発行

文献概要

病気のはなし

コレラ

著者: 小張一峰1

所属機関: 1県西部浜松医療センター

ページ範囲:P.364 - P.369

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 1977年6月有田市周辺の集団発生に始まったコレラ騒ぎは,昨年も次々と輸入例が発生し,ついには渡航歴のない人たちまで感染発症し,最後に上野文化センターの給食による集団発生に至るまで,今まで世間からほとんど忘れられていたコレラが急に注目されだした.コレラは,あれほど大騒ぎをする必要のある病気なのだろうか,それほど恐ろしい伝染病なのだろうか,という疑問はだれしも持ったことだったろう.
 今からちょうど100年前の明治12年(1879年)コレラ流行が世界の各地を席巻していたが,我が国も例外ではなかった.当時の記録は16万人以上の患者が発生し,10万人以上が死亡したことを伝えている.こうした事実からみれば,コレラは確かに恐ろしい伝染病に違いない.しかし,そのときから100年経過した現在,コレラはその様相を全く変えてしまっている.ほかの感染病もそうであるように,臨床症状が一般に軽くなっているのは確かだが,例え重症例が発生してもそれに対応する治療方法があり,死亡する例はほとんどなくなっているのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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