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文献詳細

雑誌文献

検査と技術7巻5号

1979年05月発行

文献概要

技術講座 血液

血小板算定法

著者: 安永幸二郎1 吉田孝1 遠藤厚子1

所属機関: 1滋賀医科大学病院検査部

ページ範囲:P.392 - P.398

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 血小板は止血機構に密接に関与しているから,その算定は出血性素因の診断上不可欠である.血小板は粘着,凝集する性質があり,容易に崩壊するうえ,形状も小さいため,混入した異物があれば算定上やや困難があり,赤血球,白血球に比べると安定した成績を得るには若干熟練を要するとされてきた.
 血小板の算定方法は,間接法と直接法に分けられる.間接法は塗抹標本によって一定数の赤血球数に対する血小板数の比率を出し,別に算出した赤血球数から血小板数を求める方法で,その代表的なものはFonio法である.この方法は血小板の形状も同時に観察でき,試料も保存できるなどの利点があるが,赤血球と血小板の散布が標本上の部位によって均一でない欠点があり,算定にもやや時間を要するなどから最近はほとんど用いられなくなった.直接法には血液を一定の割合に希釈して計算板に入れ,顕微鏡を用いて直接血小板を算定する方法(Rees-Ecker法,Brecher-Cronkite法)と,自動血球計数器を用いる方法がある.これらの直接法血小板算定における血液には通常抗凝固剤としてEDTA(ethylenediamine tetraacetic acid)のNa塩やK塩が用いられる.しかし,EDTA血はときに血小板の集塊を形成して血小板が少なく算定されることがあることが発見され,偽性血小板減少症(pseudothrombocytopenia)と呼ばれている(Shreinerら5),1973).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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