文献詳細
文献概要
読んでみませんか英文雑誌
S型血色素のための溶解度試験におけるSICKLEQUIKの評価
著者: 野本昭三1
所属機関: 1信州大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.760 - P.762
文献購入ページに移動 我々は溶解度差テスト試験管による鎌型赤血球中のS型血色素の検出能を検討した.この検討には190のヘモグロビンS症を含む629の血液試料を用いた.すべての結果の確認のために,アルカリセルロースアセテート電気泳動を用いた.その試験(溶解度試験)は電気泳動でヘモグロビンSを検出したものについてはすべて,正確にヘモグロビンSがあることを示していた.ヘモグロビンSを含む198検体のうち,6検体は同種接合から異種接合の分別を正しく行えなかった(その内訳は,ヘモグロビンASが2,ヘモグロビンSFが3,ヘモグロビンSCが1).後に電気泳動がこれらの検体のうち四つは溶血試験による分別には適していなかったことを示し,このうちの三つはヘモグロビンSFを含み,もう一つの検体はヘモグロビンSCを含んでいたものである.1例の多血球血症の患者の検体は偽陽性となった.結果は遠心の仕方の異なる方法で比較された.この溶解度差試験は,製造業者の使用法に従って行い,すべての陽性結果については電気泳動によって確認するならば,スクリーニング法として信頼できるものと認めた.
掲載誌情報