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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻1号

1980年01月発行

文献概要

知っておきたい検査機器

ATPフォトメーター

著者: 大澤一爽1

所属機関: 1東京大学生理学教室

ページ範囲:P.58 - P.62

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 ATPフォトメーターと限定してしまう単語は必ずしも正確ではない.ATPのみを専用に測定する機器ではなく,発光する光子を計測するのでChemiluminescence(化学発光)または,bioluminescence(生物発光)を測光する機械と呼ぶのが妥当であろう.発光計測器を製作する会社は,アメリカ(DuPont Biometer,Aminco Chem-Glowphotometer,SAI ATP meter,Pico-Lite)4社,ヨーロッパ(Celltester Mod,Lumacounter Mod,Biolumat LB,Luminometer 1250,Pico-ATP,Bioluminescence Analyzer XP-2000)6社1),日本(Aloka BLR-101,オペレックス)2社がある.筆者は棒線部分の計測器を使用したが,本章ではBLR-101による機器とルシフェリン・ルシフェラーゼ+ATPによる測光に焦点を合わせて説明する.
 Methods in Enzymologyの57巻目にBioluminescence and chemiluminescence2)として登場した分野だけに,極めて将来性に富んだ臨床検査機器の代表格である.従来の分光光度計のように特殊光学系の光源や単色光を必要とせずに,光電子増倍管(PMT)の感度に依存するところが多いのでPMTの特性を知ったうえで分析に応用する必要があろう.浜松テレビR331を借用して生物発光反応の一光子を捕らえることに成功したので3),一光子を基本単位として説明できるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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