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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻10号

1980年10月発行

文献概要

技術講座 検体の取り扱いと保存

血液検査

著者: 山本きよみ1 宮地隆興2

所属機関: 1山口大学病院輸血部 2山口大学病院検査部輸血部

ページ範囲:P.811 - P.815

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 medical electronics(以下MEと呼ぶ)の開発は,近年めざましく進歩し,目をみはる現状である.従来は疾病に対して完全に客観的情報をうることが困難であったが,電気的方法による生体情報の獲得に努力がなされ,病気の説明や治療計画,治癒判定に客観的情報を基準とした指針が探求されてきた.この要望に応えるために,漸次ピペットや試験管あるいは顕微鏡など簡単な器具が使用され患者の諸成分が測定されるようになってきた.これはまず手動的方法で出発したが,漸次操作を"人間の手から機械"へ移行し,今日ME機器の急激な開発および発展,更にコンピューターをも医学方面に導入して,人とME機器の密接な関係のもとで疾病に対処するという概念に急速に変わってきた.従来の患者診察法は打聴診や視触診の結果と医師の経験とで診断を下し,治療し,病気の経過をみて,治癒判定を行ってきた.今日では疾病はME機器の助けをかりて科学的数値で現わす方向に傾いてきている.
 ME機器を利用することは,従来のように各科の外来や病棟で独自に検査を行っていた状態に変わって,病院(大学病院を含めて)の1か所で検査をすることが能率的で経済的であり,いわゆる検査の中央化,集中化に変わってきたのである.この中央化に伴い,被検検体の扱い方や保存法を正しくすることが要求されてきた.正しい取り扱いや保存は,正確で精度の高い検査成績をうるために不可欠で精度管理や成績の判定に非常に重要なことである.ここでは血液学的検査に関して採血法,坑凝固剤の選択法,検体の取り扱いおよび検体の保存について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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