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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻11号

1980年11月発行

文献概要

コーヒーブレイク

嫌われた"伝染性"単核症

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.887 - P.887

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 去る7月,医療技術短期大学部看護科3回生の学生が,発熱と頸部リンパ腺の腫脹をきたし,栓血の結果は,白血球数3,600,異型リンパ球28%,リンパ球20%,単球4%で,Paul-Bunnel反応は64倍で未だ上昇していなかったが,infectionsmononucleosisと診断した.下宿で治療をしていたが,発熱も上下し,食欲がなくなったので,某病院に緊急入院方を依頼した.電話口に出て来たナースは,こちらの言うことを十分聞こうとはしないで,断わりの一手の傲慢な態度であった.その手助けに出て来た医師に,どんな病気かと聞くので,伝染性単核症であろうと答えると,即座に,伝染する病気は入院させないといとも簡単に断ってきた.こんな医師と,infectionsmononucleosisとは,どんな病気であるか議論する気にもならなかったので,infections mononucleosisを入院させない病院の方針であればよろしいと断った,そこで,この病気について理解のある医師にたのんで入院させてもらった.ところが,ここでもナースより伝染しないかとの質問があった由である.
 ある雑誌に,伝染性単核(細胞)症というのは名前が悪いから,感染性単核(細胞)症にしようとの提案があった.そのときは余り気にしていなかったが,今にして思えば伝染性はよくないと思う.むしろ昔から言われている腺熱(Drusenfieber,glandural fever)のほうがよく,更に,このような病状を呈するのは,E. B. ウイルスだけでなく,サイトメガロウイルス,アデノウイルス,風疹ウイルス,単純ヘルペスウイルス,マイコプラズマ,リステリア菌,トキソプラズマ,薬剤(パス,サルファ剤,ジランチンなど)などがあるので,腺熱症候群とかMonolykesyndromeと言ったほうがよいかも知れない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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