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外科手術例の異常偽性コリンエステラーゼ値
著者: 猪狩淳1
所属機関: 1順天堂大学臨床病理
ページ範囲:P.949 - P.951
文献購入ページに移動偽性コリンエステラーゼ(acylcholine acyl-hydrolase, E.C. 3.1.1,8)はコリンエステルの水解を触媒する.この酵素の生理機能は不明のままであるが,神経・筋遮断物質であるサクチニルコリンの急速な破壊に関与する.
偽性コリンエステラーゼ活性はある人口集団内でも幅広く変動する.正常値以下の値は肝疾患,悪性腫瘍,貧血,低栄養状態,妊娠,有機リン殺虫剤への暴露などを含む二次的障害により,あるいはこの酵素の異型の遺伝によりみられる,異常に低値を示した場合はサクシニルコリンのゆっくりした,あるいは不十分な水解による以外は明らかな生理的所見ではない.
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