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コーヒーブレイク
躾
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ページ範囲:P.970 - P.970
文献購入ページに移動 帰りの都バスの中での一齣である.1人の老婦人が乗ってきた.都バスは,進行方向に向かって左手,出口の前方に,老人及び身体障害者優先のグリーンのカバーのかかったシートが設けられてある.その席には中学生と思われる学生服を着た数名が座っており,乗ってきた老人をちらっと見て,あとは下を向いて素知らぬ顔である.一停留所ほど過ぎて,学生と並んで(優先席ではない)座っていた若い女性が,"次で降りるから"と言って,その老人に席をゆずった.学生の無関心に耐えきれず,自ら立ち上がったのであろう.この女性は次の停留所で降りなかった.
このようなことは今の日本では日常茶飯事である.バスだけでない,電車のシルバーシートと称する優先席も,若い男女が占領して老人を平気で立たせている.もちろん上述のように席をゆずる人はいる.しかし珍しいといったほうがよい.また荷物を座席に置き,あるいは大きく脚を広げ,2人分の席を取って平然としている者も少なくない.地下鉄の駅で,これを注意したポスターを見たが,子供のころから,人をおしのけて席を取るようしつけられた者には,その効果も疑わしい.運賃無料あるいは半額の子どもに大人分の席を平気で占領させる親は,きっとその母親から,そうしつけられたに違いない.
このようなことは今の日本では日常茶飯事である.バスだけでない,電車のシルバーシートと称する優先席も,若い男女が占領して老人を平気で立たせている.もちろん上述のように席をゆずる人はいる.しかし珍しいといったほうがよい.また荷物を座席に置き,あるいは大きく脚を広げ,2人分の席を取って平然としている者も少なくない.地下鉄の駅で,これを注意したポスターを見たが,子供のころから,人をおしのけて席を取るようしつけられた者には,その効果も疑わしい.運賃無料あるいは半額の子どもに大人分の席を平気で占領させる親は,きっとその母親から,そうしつけられたに違いない.
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