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病気のはなし
風疹
著者: 柳下徳雄12
所属機関: 1慶応義塾大学 2伊勢慶応病院
ページ範囲:P.118 - P.122
文献購入ページに移動しかし,妊娠初期の婦人が風疹に罹患すると,先天性の奇形児が高率に生まれることは問題で,この点,成人の罹患が比較的多い欧米では早くから注目されてきた.我が国では1965〜1966年の流行によって生じた先天性の奇形児が沖縄県で発見されて,東大母子保健学教室の平山教授らによる調査が行われたのが,まとまった報告の始まりであるが,次いで風疹は1974〜1976年にも全国的な大流行が起こり,小児のみならず成人の罹患者も多数みられ,奇形児も生まれたので,我が国でも近年は重大な関心が寄せられるに至った.そして,風疹の生ワクチンが作られ,予防接種によって風疹による先天異常の発生を防ぐことが可能となったのであるが,これを徹底させるため,我が国では予防接種法による定期予防接種の一つとして,中学3年生の女子に風疹生ワクチンの注射が行われるようになった.
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