icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻2号

1980年02月発行

読んでみませんか英文雑誌

エンドトキシン検出のリムルステストの現状

著者: 猪狩淳1

所属機関: 1順天堂大学臨床病理

ページ範囲:P.183 - P.185

文献概要

 リムルステストは細菌性エンドトキシンを検出する最も敏感な検査法であり,液状ではピコグラム(pg)までの量を検出する.細菌性エンドトキシンはグラム陰性菌の菌体外側膜にある脂多糖類であり,また発熱物質(パイロジェン)としても知られている.グラム陰性菌はこれら物質(エンドトキシン)を多量,その菌の周囲環境に流し出すわけで,リムルステストが陽性の場合は,グラム陰性菌による汚染の指標となる.(すなわち,リムルステストはグラム陰性菌の汚染の有無を知る示標となる.)(更に)細菌培養で菌が陽性とならないサンプルにリムルステストを行うと,しばしばエンドトキシンを(そのサンプルが)含んでいることがある.そのため,製薬会社では非経口的薬剤(輸液製剤など)の精度管理にこのリムルステストを広く利用しているし,また同様に,医療装置(器具)の市場搬出時にも利用している(3参照).
 リムルステストにより現在実験的には,グラム陰性菌敗血症,エンドトキシン血症,尿路感染症,髄膜炎や乳腺炎の診断は可能であるが,まだ,リムルステストは日常の臨床的利用としてFDAに認められていない.しかし,最近になりFDAはUSPウサギパイロジェンテストに代わるものとして,医療器具や輸液剤の中に含まれる発熱物質の検出に限り,LAL(リムルス)テストの使用を認めた.ただし,LALテストはUSPウサギテストと比較して,同等もしくはそれ以上の感度を示すというデータを製造者はFDAに届出しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら