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検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
文献概要
呼吸機能検査で気道の閉塞性障害を評価するための指標としては,古くからスパイログラフィーによる1秒率や,ボディープレチスモグラフィーによる気道抵抗が用いられてきた.しかし,最近呼吸生理学の進歩発展に伴って,これらの指標には反映されない末梢気道の閉塞性障害が注目されるようになった.末梢気道とは直径2mm以下の細い気道(small airway)である.この領域では病変が高度に進行しない限り,1秒率や気道抵抗には反映されないことが確かめられており,この領域はsilent-zoneと呼ばれていた.近年,この末梢気道の障害を早期に診断する検査法として動肺コンプライアンスの周波数依存性,肺胞気動脈血分圧較差,フローボリューム曲線,クロージングボリューム曲線の測定が活用されるようになった.ここでは臨床検査として広く普及しつつあるクロージングボリュームについて,測定の方法と原理を中心に述べる.
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