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肺機能検査の進歩
著者: 井川幸雄1
所属機関: 1慈恵医大中検
ページ範囲:P.236 - P.236
文献購入ページに移動しかし,考えてみれば,口から得られる多くの情報も動脈血ガスの情報も,肺がその機能を果たした結果出てくる流出内容を一括平均して捉えた出力情報で,いわば肺そのものは均一なコンパートメントとして捉えるしかなかった.例えば生理の教科書でも,人の肺胞を引き伸ばしてみると,テニスコートぐらいの面積があり,この薄い膜を介して吸気と血液が触れ合い,分圧の高いほうから低いほうへとガスの移動が起こるというようなイメージを与えている.しかし,このイメージは考えてみると,生体内の臓器というよりも,人工腎臓のような透析器を思い浮かべさせるものである.実際の腎臓と人工腎臓との差に近いものが,これらのイメージと実際の肺には存在している.
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