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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻4号

1980年04月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

ST上昇及び下降

著者: 野原義次1

所属機関: 1東京医科大学内科学第2講座

ページ範囲:P.289 - P.296

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 STの上昇あるいは下降は日常臨床の心電図でよく見掛ける所見であり,ST上昇は心筋梗塞を,下降は冠不全を,連想するほど身近な所見である.が同時に,ST変化の理論は分かりにくいものの一つである.今日,心電図の理論的解釈には,臨床的には一般にBernsteinの膜説よりLewis1)をへて,Wilson2)へと発展した二重層説が受け入れられているが,生理学的にはNa,K,Caなどのイオン流説が主流をなしている.この理論によりQRSの成立機序についてはかなり素直に理解されるが,ST,T変化の成立機序については,なお理論的にすっきりしない点が残されているようである.
 本稿においては,ST上昇及びST下降について,まず臨床的及び実験的事実を述べ,次いでその基礎理論-なぜこうなるの?を解説的に述べようと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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