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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻4号

1980年04月発行

文献概要

技術講座 血液

血球形態の見方 II

著者: 相賀静子1

所属機関: 1国立病院医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.304 - P.308

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 前回,赤血球系の形態について記したが,今回は白血球系と血小板について述べる.血液の白血球系には好中球,好酸球,好塩基球,単球,リンパ球,形質球がそれぞれ,特徴的な形態をしているので,覚えてしまえば簡単である.現在ではその特徴を電算機に覚え込ませた自動血球分類器が使われている.しかし幼若系の細胞は核構造など複雑なのでまだ算定できるまでにはいっていない.
 血球の形態の見方は,主観的な見方を教えてもらったりしていると,ほかの名称で書かれた本を読んでも理解するのに苦労する.前回の赤血球形態でも似たような名称を使ったが,時には主観的な名称のほうが理解しやすい場合があり,形態学の難しさ,不合理さがあるのかもしれない.最近では白血病細胞の分類方法をM1〜M6,L1〜L3というような分類方法に向かって実施されつつあるが,根本は細胞の形,核の形,原形質の色彩,顆粒の有無,大きさ,色調,核小体の有無,数などを細胞から理解して幼若系の細胞へと学んでいったら良いと思う.また基本的なことは,一定条件の,良い標本を作製し,ライト(ライト・ギムザ)染色標本になじむことである,もう一つ大切なことは,百分率を算定したら,細胞の百分比を検討し,もう一度標本を流し読みをしてみることである.時には幼若な細胞を発見することがあるだろうし,うっかり見逃してしまった赤血球形態,血小板の概数や,凝集の度合なども検討することができるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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