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おかしな検査データ
SMACで遭遇した問題点 Ⅰ
著者: 金森きよ子1 佐野紀代子
所属機関: 1東京医科歯科大学病院検査部
ページ範囲:P.416 - P.417
文献購入ページに移動 我々の検査室では,1979年5月から連続流れ方式の多項目測定自動分析機SMAC(テクニコン社)を導入した.測定項目は総蛋白,アルブミン,尿素窒素,クレアチニン,尿酸,ナトリウム,カリウム,クロール,カルシウム,無機リン,LDH,GOT,GPT、γ-GTP,アルカリ性ホスファターゼ,総ビリルビン,直接ビリルビン,総コレステロール,トリグリセライド,血糖の20項目である.SMACの大きな特徴は,コンピューターにより各部門の監視がなされていることである,各試料の各項目ごとの反応ピークを細かく監視しており,異常ピークがみられるとプリンターから打ち出されたその値に※(アステリスク)を付し注意を喚起する.そのほか,人間の血清として考えうる範囲を越えた低値にも※が付されてくる.そして,※が同一項目で4個連続して付されると検体吸引が自動的に停止してしまう.したがって,いずれの問題も早急な解決を必要とするため,導入当初はかなり大変であった.SMACを使用して半年を経た今,そのトラブルが機械側,標準血清,検体の三つに大別して考えていけばよいことが分かり精神的に多少の余裕が出てきた.実際には未解決のまま保留となっているトラブルもあるが,使用半年と浅い経験の中で遭遇した例につき2回にわたり述べる.今回は機械側の問題と標準血清について述べる.
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