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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻6号

1980年06月発行

文献概要

技術講座 生化学

クレアチン,クレアチニンの定量法

著者: 岡部紘明1

所属機関: 1東京都養育院付属病院研究検査部

ページ範囲:P.469 - P.476

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 クレアチンはガニジン化合物の一つで,エネルギー運搬,筋肉代謝,腎機能などの研究で重要である.図1に示すように,アルギニンとグリシンでガニジン酢酸を合成し,このメチル化により肝でクレアチンが作られ,筋肉に運ばれエネルギー源となる.高エネルギーのリン酸はクレァチンキナーゼによってクレアチンリン酸に変換され,筋収縮時のエネルギー源として蓄積される.またクレアチンは自然にクレアチニンとなり,クレアチンリン酸も脱リン酸化されクレアチニンとなる.クレアチニンの排泄はかなり一定であるが,筋肉量や腎機能により変動する.クレアチニンは腎糸球体の濾過で尿細管で一定量までは再吸収されずに尿に排泄される.一般に血清クレアチニン濃度は腎機能が真に損傷を受けるまでは増加しない.重症腸管出血や尿路閉塞などによる血中尿素窒素の変動はクレアチニンの測定によって鑑別できる.また高蛋白食による影響も少ない.尿クレアチニン測定はクレアチニンクリアランステストの一部として行わなければ腎機能の判定には役立たないが,排泄は比較的一定しているので蓄尿が完全かどうかの判定に用いられる.尿中クレアチンは筋炎,ジストロフィー,重症筋無力症などで増加し,測定意義がある.クレアチンは原則としてクレアチンリン酸の構成成分であるから尿中に出ないが,小児及び成人女子の一部では生理的にクレアチン尿がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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