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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻6号

1980年06月発行

文献概要

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ノカルディア症:文献的考察とノカルディア・アステロイデス感染症の1例報告

著者: 猪狩淳1

所属機関: 1順天堂大学臨床病理

ページ範囲:P.494 - P.496

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 緒言 ノカルディア症は急性または慢性の感染症であり,通常三つの型が知られている.すなわち,1)菌腫,四肢の皮膚あるいは皮下組織を侵す;2)肺疾患;3)全身性感染症である.この三つの型の中では肺疾患がしばしばみられることが多い.慢性感染症例では血行性に広がり,中枢神経系によくみられる全身性の病巣を作る.ノカルディア症であることを発見できなかった例や,治療が行われなかった例の死亡率は高く,そのために早期発見と適正な治療が必要となってくる.ノカルディア症はノカルディア属の三つの種によって惹起される.すなわち,N. asteroides,N. brasiliensisとN. caviae(別名N. otitidiscaviarum)である.N. caviaeによると報告された感染例は少ない.菌腫を作るN. brasiliensis(による感染)は中南米,インド,アフリカで高頻度にみられる.N. asteroidesはしばしば肺病変を作る原因となり,合衆国やヨーロッパでは最もよくみられる種である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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