文献詳細
文献概要
病気のはなし
日本脳炎
著者: 緒方隆幸1
所属機関: 1国立予防衛生研究所ウイルス・リケッチア部
ページ範囲:P.526 - P.532
文献購入ページに移動 日本脳炎の本当の恐ろしさを知っている人は昨今ずいぶん減ったようである.大正末期(1924年)夏,香川,岡山を中心とした日本脳炎の大流行が発生して,このとき以来日本脳炎は広く人々に注目されるようになった.その後毎年初夏から秋にかけて多少の波はあったが、1961年までに11〜13年の間隔で大流行が起こっていた.しかし1967年以後何の原因かはっきりつかめないが,かつてないぐらい急激に患者発生が減少し,今日では私たちの記憶から日本脳炎のイメージは遠い過去の疾病になってしまった.
この日本脳炎が全国的(東北,北海道を除く)に猖獗を極めたころも,今日でも数十名の患者がみられているが,患者の約1/3が死亡し,1/3が何らかの後遺症を残す点で,日本における感染症の中では事故率の高い部類であることは昔も今も変わらない.
この日本脳炎が全国的(東北,北海道を除く)に猖獗を極めたころも,今日でも数十名の患者がみられているが,患者の約1/3が死亡し,1/3が何らかの後遺症を残す点で,日本における感染症の中では事故率の高い部類であることは昔も今も変わらない.
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