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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻7号

1980年07月発行

文献概要

病気のはなし

日本脳炎

著者: 緒方隆幸1

所属機関: 1国立予防衛生研究所ウイルス・リケッチア部

ページ範囲:P.526 - P.532

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 日本脳炎の本当の恐ろしさを知っている人は昨今ずいぶん減ったようである.大正末期(1924年)夏,香川,岡山を中心とした日本脳炎の大流行が発生して,このとき以来日本脳炎は広く人々に注目されるようになった.その後毎年初夏から秋にかけて多少の波はあったが、1961年までに11〜13年の間隔で大流行が起こっていた.しかし1967年以後何の原因かはっきりつかめないが,かつてないぐらい急激に患者発生が減少し,今日では私たちの記憶から日本脳炎のイメージは遠い過去の疾病になってしまった.
 この日本脳炎が全国的(東北,北海道を除く)に猖獗を極めたころも,今日でも数十名の患者がみられているが,患者の約1/3が死亡し,1/3が何らかの後遺症を残す点で,日本における感染症の中では事故率の高い部類であることは昔も今も変わらない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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