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最近の検査技術
合成ペプチド基質による凝固因子の測定
著者: 加藤正俊1 藤巻道男1
所属機関: 1東京医科大学臨床病理学教室
ページ範囲:P.585 - P.593
文献購入ページに移動 血液は不活性型凝血因子とそれに対する阻害因子(プロテアーゼインヒビター)の量的平衡を保って血管内を循環している.凝血因子の増減や質的異常,あるいはプロテアーゼインヒビターの増減は出血傾向や血栓傾向などの凝血障害を起こすことになる.したがって凝固・線溶系,キニン系,補体系に関与している多くの凝血因子やプロテアーゼインヒビターの活性を測定することは出血傾向あるいは血栓傾向の病態を把握するうえで貴重な情報を提供してくれる.
従来より血液の凝固・線溶系因子の臨床測定には,主としてフィブリンの形成する時間あるいはその溶解する時間を終末点として観察する方法や凝血因子,プロテアーゼインヒビターに対する抗血清を用いる免疫学的な方法が行われている.しかし,凝血因子の多くは活性型に変換されると酵素としての活性を示すセリンプロテアーゼであることが知られている1)(表1).
従来より血液の凝固・線溶系因子の臨床測定には,主としてフィブリンの形成する時間あるいはその溶解する時間を終末点として観察する方法や凝血因子,プロテアーゼインヒビターに対する抗血清を用いる免疫学的な方法が行われている.しかし,凝血因子の多くは活性型に変換されると酵素としての活性を示すセリンプロテアーゼであることが知られている1)(表1).
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