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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻9号

1980年09月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

血液粘度

著者: 磯貝行秀1 望月紘一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第3内科

ページ範囲:P.724 - P.729

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 血液の粘性と臨床的意義
 血液の流動性の異常が種々の疾病で認められており,それが微小循環系における血流停滞をはじめとして,組織への酸素輸送障害,閉塞性細小血管病変及び微小血栓形成などを惹起し,多彩な臨床症状発現の原因の一つになっている.血液の流動性の異常には主として血液粘度の変化,特に低ずり速度域(血流が緩徐になっている)における著しい粘度の増加が関係している,最近血液粘度の増加を基盤とする病態あるいは臨床像に対し,高粘度症候群〔serum hyperviscosity syndrome(Fahey,1965),syndrome of hyperviscosity(Wells,1970),blood high viscosity syndrome(Dintenfass,1971)〕なる用語が使用され,臨床的に注目されてきている.
 血液粘度に関与する要因として,①ヘマトクリット,②血漿粘度,③赤血球変形能,④赤血球集合,⑤ずり速度,及び,⑥温度,などが挙げられる.したがって,血液粘度の高値を招来する機序は必ずしも単純なものではないが,便宜的な原因別分類では三つに大別される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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