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技術講座 病理
リンタングステン酸ヘマトキシリン染色法
著者: 吉田賢一1
所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院検査部病理室
ページ範囲:P.758 - P.763
文献購入ページに移動 PTAH染色法は,1901年アメリカの病理学者Mallory,Frank Burr(1862〜1941)により初めて発表された.最初この染色法は膠原線維を染めるのに用いられていた.この染色法では,細胞核,糸粒体,線維素,平滑筋線維,横紋,上皮細胞のBasal body,繊毛,髄鞘及び弾力線維などが青を基調とした種々の色に染め分けられる.軟骨基質,骨は黄褐色ないしは,褐色に染まる.特に膠原線維が赤褐色に染まるのに対し神経膠線維は深青色に染まる.このように,この染色では赤褐色から深青色まで,その色調と濃淡をもって染色ができるのが特徴である.
しかしながら,PTAH染色法は染色液の調製により,その染め上がりが必ずしも一定でなく,むしろ染色性が不安定なため,今まで多くの方法が考えられてきたが,基本的にはPTAH染色液が十分に成熟(酸化)していなければ,上記のような染め上がりを得ることは出来ない.
しかしながら,PTAH染色法は染色液の調製により,その染め上がりが必ずしも一定でなく,むしろ染色性が不安定なため,今まで多くの方法が考えられてきたが,基本的にはPTAH染色液が十分に成熟(酸化)していなければ,上記のような染め上がりを得ることは出来ない.
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