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文献詳細

雑誌文献

検査と技術8巻9号

1980年09月発行

文献概要

技術講座 病理

リンタングステン酸ヘマトキシリン染色法

著者: 吉田賢一1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院検査部病理室

ページ範囲:P.758 - P.763

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 PTAH染色法は,1901年アメリカの病理学者Mallory,Frank Burr(1862〜1941)により初めて発表された.最初この染色法は膠原線維を染めるのに用いられていた.この染色法では,細胞核,糸粒体,線維素,平滑筋線維,横紋,上皮細胞のBasal body,繊毛,髄鞘及び弾力線維などが青を基調とした種々の色に染め分けられる.軟骨基質,骨は黄褐色ないしは,褐色に染まる.特に膠原線維が赤褐色に染まるのに対し神経膠線維は深青色に染まる.このように,この染色では赤褐色から深青色まで,その色調と濃淡をもって染色ができるのが特徴である.
 しかしながら,PTAH染色法は染色液の調製により,その染め上がりが必ずしも一定でなく,むしろ染色性が不安定なため,今まで多くの方法が考えられてきたが,基本的にはPTAH染色液が十分に成熟(酸化)していなければ,上記のような染め上がりを得ることは出来ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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