文献詳細
文献概要
検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
免疫学的妊娠反応
著者: 高木繁夫1 尾崎晴彦1
所属機関: 1日本大学産婦人科
ページ範囲:P.863 - P.866
文献購入ページに移動一方,免疫化学の進歩により1956年にインスリンが,1959年に成長ホルモンがそれぞれ免疫化学的に測定し得ることが知られてから,HCGについてもその抗体産生能を利用して,免疫学的にこれを証明しようという試みがなされ,1960年代に至り,Wide及びGemzellがタンニン酸処理HCG感作ヒツジ赤血球凝集阻止反応,Brody及びCarlströmが補体結合反応,McKeenが沈降反応を相次いで報告したのがその始まりである.その後抗原吸着材として赤血球の代わりにpolystyrene latex粒子を用いるHCG感作ラテックス凝集阻止反応がRobbins(1962年)により開発され,更に最近では赤血球とかラテックス粒子に抗HCG抗体そのものを標識し尿中のHCGを直接凝集反応で検出する方法も考案され,現在では煩雑な生物学的妊娠反応に代って,手技が簡単でかつ迅速に実施できる免疫学的妊娠反応が外来のルーチン検査の一つとして広く利用されている.
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