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文献詳細

雑誌文献

検査と技術9巻11号

1981年11月発行

トピックス

キットによる免疫ペルオキシダーゼ染色

著者: 浦野順文1

所属機関: 1神大・病理

ページ範囲:P.916 - P.916

文献概要

 ホルマリン固定後作製するパラフィン包埋ブロックからの組織切片は,日常の病理組織学的検索に欠かすことができない.このパラフィン包埋ブロック組織の抗原性は比較的よく保持されている.ペルオキシダーゼ抗ペルオキシダーゼ抗体法(PAP法)は感度が高く,パラフィン包埋組織内の抗原の検出を容易にし,また再現性も高くその有用性は広く認識されている.
 免疫グロブリン分画(IgA,IgG,IgM,κ,λ)はB細胞腫瘍(免疫芽腫,マクログロブリン血症,骨髄腫など)の診断には欠かすことができないし,また反応性のB細胞増殖と腫瘍などの鑑別に重要である.リゾチーム染色も単球性白血病の診断に欠かすことができないし,PAP法の導入以前にはこれら疾患の診断は組織学的には必ずしも容易でなかった.しかし,PAP法は内因性ペルオキシダーゼの過酸化水素水での破壊,非特異性結合を抑制するための標準血清での処理,一次抗体との反応,連鎖抗体との反応,ペルオキシダーゼ抗ペルオキシダーゼ複合体との反応,ペルオキシダーゼ反応,核染色と操作が煩瑣である.また一次抗体の希釈もその都度行い,希釈度も工夫をするなどの点があった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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