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文献詳細

雑誌文献

検査と技術9巻12号

1981年12月発行

文献概要

最近の検査技術

ウレアプラズマの検査法と臨床的意義

著者: 吉田茂子1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.967 - P.972

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 ウレアプラズマ(Ureaplasma)は,1954年Shepardによって,非淋菌性尿道炎の患者から,初めて分離された.この微生物は,発育にコレステロールを要求するマイコプラズマ科(Mycoplasmataceae)に属するが,発見当初は,その性状や分離方法が明らかにされてはおらず,マイコプラズマより非常に小さなコロニーを形成する一群の微生物であったことから,Tiny form Mycoplasma,T-strains of MycoplasmaまたはT-Mycoplasmaと呼ばれていた.1966年Purcellら,Shepardが,この一群のマイコプラズマが,尿素を加水分解することを発見した.その後この生化学的特徴は,他のマイコプラズマ属には認められない特有な性質であることが分かり,これまでT-Mycoplasmaと呼ばれていたものがウレアプラズマ(ウレアプラズマ属)と呼ばれるようになった.そして1974年マイコプラズマ科の中に新しい種属として,ウレアプラズマ属が設けられ,ヒトから分離されるウレアプラズマをUreaplasma urealyticumと命名された.ウレアプラズマの性状が明らかになってから,ウレアプラズマの分離培養には,培地内に尿素とフェノールレッド(指示薬)を加えた培地に改良され,さらに分離方法が研究されて,現在では容易に分離培養が出来るようになった.
 その後このウレアプラズマは,ヒト以外にも,家畜や鳥類からも次々と分離され,これら動物との起病性についての関係が注目されてきているが,ヒトをも含あて,その病原性については,いまだ確立してはいない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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